『ディープ・サンクタム』
スペイン人旅行者が現地で洞窟を見つけて、軽い気持ちで冒険したら、案の定遭難してしまう話です。
遭難して、いがみあって、衰弱して、殺しあうという想像通りすぎる展開。
そりゃそうだよねって気持ちにしかならない。
話がほぼ洞窟でウロウロするだけなので、ほぼ同じ風景だし、モンスターも出てこないし、オカルト展開にもならないので冷静に退屈だなぁと思いました。
これはあまり芸がないです。
というか、スタイルにポリシーがないですね。
最初と最後だけ意味もなく通常の映画の撮影方法なのが良く分かりません。
POVならそれに徹すればいいのになぁ。
この映画は特に面白い設定でもないし、ただの遭難話だし、演出もテキトーすぎて好きじゃないです。
『パラノーマル・エクスペリメント』
これは好きですw
凄く変な映画ですね。
変なクスリ飲んで、変なことばかり起きて、変なモノが出てくるし、話も変。
テッド・レヴィン演じる作家が一番変でしたw
『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビル役以来のピカイチの変な役。
だけど、最高に不気味で、怖いし、何か異世界に迷い込んだような臨場感があった。
異世界と現実世界をユラユラと彷徨っているような感覚がリアルに表現できていた。
厳密にはファウンド・フッテージやPOVというわけじゃなくて、それは冒頭のホームビデオと時々挿入される監視映像のみで、映画の8割は通常の映画として作られています。
でも、全体はまるでフェイク・ドキュメンタリー映画のような迫力があります。
失踪した友人の行方を捜すジャーナリストの女性が、調査の過程でCIAによるおぞましい人体実験について知っていくという話。
題材がCIA最大の黒歴史として知られるMKウルトラ計画。
その時点で死ぬほど怖いし、もちろん話はどんどん怖くなります。
途中でラブクラフトについての言及があったりするんですが、なるほどと思わせる超現実的な雰囲気だし、スチュアート・ゴードンの映画みたいな気持ちの悪い異形の生き物が闇の中からヌーッと現れます。
監督はたぶん影響されまくってるんだと思うw
この映画は気持ち悪くて凄く良かったです。
MKウルトラ計画の呪いが想像を超えた形で襲ってきて緊迫感も凄い。
演出スタイルの使い分けもポリシーが感じられて、『ディープ・サンクタム』のテキトーさとは違いました。
『フランケンシュタイン・リポート』
メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』が実話だったという設定がウケますが、悪くないアイデアだとは思いました。
フランケンを作ったのは自分の先祖だと言い張る男に密着同行するドキュメンタリー映画のスタッフが、一緒に雪山にフランケンを探しに行くと言う話。
確かにフランケンとされる何かは出てくるんですけど、フランケンというよりただの大柄な男性なんですよねw
そこが残念。
フランケンのビジュアルをもうちょっと頑張って欲しかったです。
登場する前に一瞬どこかで映ったりして欲しかった。
気配をもっと上手に見せてくれれば評価は高かったんですけど。
悪くないアイデアだし、演技や撮り方も真に迫って説得力がある分、お金については予算が100円ぐらいしかなかったんだと納得しましたw
雪山と言えば『ディアトロフ・インシデント』が思い出されますが、あっちの方がお金もかけていたし、話もブットんでいて痛快でした。
『U.M.A.2014 フォレスト・モンスター』
ビッグフット捜しの映画を撮るためにビッグフットで有名な田舎町を訪れたカップルが森で遭難します。
例のごとくw
田舎の住人とカップルとのテンションの落差が結構笑いのツボになってたりして面白いw
田舎社会って怖いなぁと思わせる狂人との遭遇なんかも時々あってゾッとする場面がありますが、POVホラーとしてはかなり物足りない作品と言えます。
ほとんどカップルが町でノンキに観光してるだけというのがこの映画w
遭難するのが目に見えるお約束どおりにしかならない後半だけではやっぱり物足りない。。。
ラストだけが凄く怖かったという印象。
ビッグフットのPOVなら、エドゥアルド・サンチェスの『イグジスツ』が傑作なのでオススメ。
ちゃんとしたビッグフットが出てくるしね。
今回はここまでです。
ちなみにしばらくこの特集が続きますw
それなりにお楽しみに!