『アクアスラッシュ』

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陰湿で陰険なアジアンホラーから気分も毛色もガラリと変えてのアメリカンメイドなバカバカしいスラッシャー物。

卒業祝いではしゃぐ水着の若モンたちが公園プールで酔っぱらったり、欲情したり、ケンカしたりしてみた挙句、巨大スライダーで競争対決したら、デカ刃物が二枚ほど十字に仕込んでいたので、切れ味良くスライスされてしまい、赤赤しい血と切断された手足胴体が流れてくるのを見て、みんなで絶叫する映画が『アクアスラッシュ』でした。

ちゃんとスライダーのふもとで用意周到に水着美女が待っていて、キャーキャー言ってる図が本作の要とも言えるのがこの映画w

腸的な臓器はちゃんと刃物に絡まってたり、被害者が折り重なったせいで切れ味鈍くなってみたりと意外とディテールがこだわっていたのも評価高いw

それにつけても、アクアスラッシュの惨劇までがめちゃくちゃ長いw

最初の60分がアホどもの他愛ない痴話げんかや色恋ああだこうだ、誰が誰と仲が悪いとかのしょーもない人間関係の興味ゼロの描写がウダウダと続くのだw

そんなノンキな光景がダラダラと垂れ流される最中において、正体不明の殺人鬼らしい人物が人知れず殺人していたり、何やら良からぬ計画を遂行中な不穏な場面が時折差し込まれるというサスペンスな寸法。

『13日の金曜日』『バーニング』を思わせる空気作りはそれなりに成功していたw

どうでもいい人物たちによるムダ話によるムダ時間の積み重ねを繰り返し、ムダに溜めて溜めての、めちゃくちゃにバカな手法でスライダーに組み込まれた刃物での満を持したアクアスラッシュで待ち受けるムダ死にしまくるクライマックス。

これがストレス発散の機能となっていて痛快w

アホどもが気持ちよくスライスされる様子に清々しい気持ちになってしまうのだ。

冷静に考えてもムダが多すぎたんだけど、あまりにもアクアスラッシュ切断イベントが楽しいので、「ムダじゃなかった!」って思わせてくれたw

ポスターの通りの分かりやすい最終目的の見所のために60分ぐらいを我慢すればいいだけなので、ご褒美として用意されたメインイベントのために辛抱強く待機しましょう。多くを得るためにも途中で投げ出さない折れない心、忍耐の大切さを教えてくれるタメになる作品。

そんなはずがないがw

ムダに過ぎていたような時間も、思い返してみればそれなりに楽しんでいたことを確認できる。

しょーもなさすぎるのに、ブツブツ文句言いながらも、なぜか飽きることがなかったのも本作の術中。

バカバカしいと思いながらも、犯人の正体にはちゃんとビックリするし、低能な発想にも思えるアクアスラッシュ表現には逆に知性さえ感じてしまったw

いい映画であることは断言します。

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