宗教による支配が『ウィッチ』より100倍怖い!

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これはずばり「魔女狩り」の話です。
簡単に言えばそうです。

セイラムの魔女裁判が有名ですが、まさにそんな時代の話で、原題のサブタイトルは「ニューイングランドの民話」です。
エンディングには当時の日記や歴史資料を基にしているとも示されます。

この映画を観たままに考えると、魔女が人間を破滅に導いたオカルト映画でしかないですが、
根底には「宗教支配」という忌まわしい「呪い」が渦巻いています。

人間が宗教を利用して家庭や地域を支配するという恐怖を、「民話」という形で描いた力作でした。

相当怖かったです。

村を追放された一家がどっかの森の近くに移り住むんだけど、食物は不作で、赤ん坊が失踪したり、さらに災難が連発。
勝手な理由で長女が「ウィッチ」呼ばわりされて、そこから家族が破滅へと向かう震撼する話。

結局のところ、信仰自体の是非よりも、信仰を求める人間の心が弱かったり、愚かだったりすることから「魔女狩り」は生まれるんだろうね。

家庭不和や子供を失った哀しみに対応できない大人たちが宗教を使って、子供たちを精神的に抑圧し、「信仰心」が自分の行為を正当化することで、状況は迫害へと向かう。
そして、逃げ場を無くした子供たちが「ウィッチ」を求める。
「ウィッチ」は抑圧からの解放であり、ある意味ハッピーエンドとも受け止められる見事なラストだった。

『ウィッチ』は「魔女狩り」の真相を鋭く突いて、最終的に精神病を描いていた。

ちなみに、主演の長女を演じるのがアニヤ・テイラー=ジョイさんで、シャマランの『スプリット』に起用された理由がこの映画で存分に理解できる名演技。
大物のオーラがすでに発揮されているので、ホラー好きじゃなくても必見。
今後が楽しみな若手女優です。

サイコ度 100点満点!

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