久しぶりのNetflix映画です。
やっぱりオリジナルには良作が多いですね。
主人公である女医の精神科医がPTSDの患者に襲われたことで、精神科医本人がPTSDになってしまうという面倒な話w
「アンタはなっちゃダメじゃん!」ってツッコみたくなるんだけど、実際のところ、精神に問題を抱えた人たちの重く、暗い話を聞き続ける仕事なので、
精神科医自身の精神の負担って凄いだろうなって理解させてくれる内容だった。
この映画でもPTSDになった精神科医が、他の精神科医に診察してもらっているという切実な状況が示される。
うつや自殺願望の話を毎日聞かされたら精神科医だって精神病になってもおかしくないわけですw
主人公は事件以来PTSD患者の診察は断って、軽度の患者だけを診るようにしていたんだけど、ある酷いトラウマを抱えた患者を好意で診始めたことで、彼女自身も過去の事件に悩まされ始める。
まずは「精神科医が精神を病む」という話として展開していくんですが、それが巧く後半のミステリーとサスペンスな展開に機能していたように思います。
この映画はよく出来ています。
しかも、凄く怖い。
人間の精神の危うさを題材にした映画ってオレは大好きで、どうしても純粋に興味を持ってしまうw
精神自体が実体がなく、あやふやで、未知な領域なので、何が起きても不思議じゃない。
『シャッター・アイランド』とか大好きなので何度も観てしまうw
頭が変な人たちが現実なのか虚構なのか分からなくなって混乱する話って色々あって、出てくる人が基本的に狂っているので結局は何やってるのか分からなくなるw
あの予測不能なスリリングさって映画ならではですよね。
この映画も主人公がそもそもPTSDなわけで、トラウマの影響で金縛りに頻繁に遭ったり、薬物で朦朧としてたりと精神が安定しているとは言えない。
そこの主人公への信用のおけなさ具合で鑑賞者を上手にミスリードしていく辺りが頭いいなと思いました。
周辺で起こる様々な不可解な現象や事件も含めて、主人公への不信感が説得力を持たせるという作り。
トラウマとなる患者に襲われる冒頭の事件からすでにミスリードが開始されていて、この徹底ぶりが作品を成功させていた。
だからこそ、一瞬にしてガチなサイコスリラーへと変貌する後半はハラハラしちゃって秀逸w
オバケや呪いも死ぬほど怖いが、サイコも同じぐらい怖い。
それが『クリニカル』で改めて思い知ったw