『ウィッシュ・ルーム』

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若い夫婦が郊外に素敵な屋敷買ったら、なんか壁に隠された大層な雰囲気の金属づくりの重厚扉発見してしまい、なんと欲しい物や必要なものを口に出してしまうと、電気ビリビリさせた後、目の前に勝手に用意してくれるという神様ありがとうございますって気持ちにしにかならない魔法な力秘めた凄い部屋、ウィッシュルームだったという話です。

大金、モノホン絵画、高級ワイン、高級家具、高級食べ物と全部ウィッシュするだけで、出現してくれるので、人生一生安泰決定しちゃいます。

部屋がある限り食うに困らないし、努力もクソも不要。

もう何もしなくていいじゃんわーいって有頂天な天にも昇った気持ちで、毎日怠惰に飲んで食って遊んでいるだけのお気楽生活手に入れちゃったわけですから完全に勝ち組ですこの夫婦は。

羨ましい!

ってまぁ、そんな悠々自適な楽しく愉快な日常がずっと続けばよかったんですが、そうはいかせてくれないのが『ウィッシュルーム』って怖い映画なんです。

怖い屋敷映画の定石通り、ウィッシュルームに纏わる過去に起こった謎で陰惨な殺人事件なんかもあったりするわけで、やっぱりロクでもない屋敷なんですよどーせw

カミサンが死産のトラウマからどうしても妊娠したくないがために、ウィッシュルームで手っ取り早く赤ん坊くださいって望んちゃってからが地獄。

ウィッシュルームが作り出した物は屋敷から出した瞬間から劣化してチリになるという独自の厳しいルールも明らかとなり、それって生き物にも適用されるわけで、赤ん坊とのひたすら閉じ込め生活するしかなくなります。

通常の子作り作業取っ払って、ウィッシュルームで気軽に赤ん坊なんぞ作り出しちゃったもんだから、厄介な事態を招いたこの夫婦。

肉体と精神を併せ持つ人間を一方的に閉じ込めて置けるのは、親側がコントロールできる幼児の間だけで、自我が生まれてからの苦労がもう大変。

夫婦仲も次第に険悪になり、精神状態も悪化で、子供はますます言うこと聞きませんw

外世界への興味が留まるわけもなく、屋敷から出たくて仕方ないのが普通の神経ってことで、この前観たばっかのシャマランのオールド方式による成長というか劣化というか、子供の精神のまんまで秒単位で肉体だけグイグイ大きくなって帰宅したならば、もはやただの化け物。

分別なくして暴走が止まらないw

創造主である親を殺すことで、ウィッシュルームから自由になろうとするサバイバル。

親は親でもうやってられないので、子供に対して複雑な心情ではありますが、全部押し殺しての始末する覚悟決めます。

ウィッシュルームのルールを逆手に取った意外な使い方しての後半が結構なサプライズ。

そんでもって、欲望のままになんでもかんでもウィッシュしちゃったツケが、本作のストーリーを考える上で最も恐ろしい形で回ってきてしまうラスト。

オバケ屋敷物とは違う変なアイデアが楽しめたし、何やら人として嫌なものを見せられた気持ちにもなるし、演技も話も上出来でした。

オルガ・キュリレンコはパっとしない映画ばかりですが、中の上は超えてるので、だいぶ面白いってことははっきりと言えます。

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