単純にこれはUFOアトラクションな目線で楽しんじゃいました。
厳密に言うと、みんなが思っているような正体のUFOではないが、そこはまぁ仕掛けがあるんで、あまり触れない方がいいけど、見せ方としてはスタイリッシュなUFOだぜってことで勘弁してくれw
映画に登場する馬とか調教してるハリウッド初の黒人経営の馬牧場を営む一家。空の上でなんだか正体不明の不可解な飛行物体が飛び交っているんじゃないかって疑い出した牧場主の兄妹が、ここは一発動画に収めて衝撃映像でバズって大儲けしてやるぞと一念発起。銃じゃなくてカメラでやっつけてやろうと試みる話。
何を犠牲にしてもUFOの映えショット撮ろうと命かけるキャラクターの暴走っぷりがアホだけど痛快だし、そんな狂気の上で成り立つのが「映画」という最強のエンタメであり、両手を挙げて無邪気に楽しんじゃってる観客代表のオレがいますよということなんでしょうね。
要するにw
『アス』以上に深読みしないとならないテーマが何重にもありそうで、何やら読み取れない小難しいメタファーやら思わせぶりな思い出話のシークエンスや意味深な馬の名前にちなんだチャプター構成で、こちらの頭はこんがらがり状態。
だからもーね、分からない部分は無視でしたw
深く考えるの止めて、ただただUFOエンタメとして開き直って楽しみましたw
ジョーダン・ピールはもはや観客が読み取れようが読み取れまいが知らんけど、好き放題に考察してくれよって気持ちで、わざわざ難解に作って面白がってるんだと解釈しました。
オレなんかはアホなのでまるでピンと来ないんだから仕方ないですw 悔しいですがw
とにかくこれは映画館で観ないとならんヤツだなって思いました。
UFOがマジでめちゃくちゃ怖いw この世の創造物じゃない動きも音も死ぬほど怖いw
序盤のかすかな気配出しから中盤の空の間の行き交い、後半はもう『インデペンデンス・デイ』かってぐらいにドドーン!の登場でド派手に攻撃しかけてくるカタルシスがたまらんw
UFOの全貌を段階を踏んで徐々に明らかにしていくやり方は、基本に忠実という感じで、スピルバーグ映画やモンスター映画の名作をちゃんとお手本にしているなとやっぱさすがのジョーダン・ピールってことでした。
UFOがマジで最高。
これまでこんなに思い切ったUFO映画なかったもんな。
UFOが思う存分ガシガシ登場して、表現も不気味でカッコいいし、ついついUFO側を応援してました後半はw
馬牧場ってことで、クラシカルな馬乗り西部劇スタイルでのUFO撮影対決がとってもスペクタクルでハリウッドw
本作はジョーダン・ピールが作った最も映画らしい映画で、一番スケール感あってエンタメだし、UFOが田舎で大暴れする恐怖のSFホラーとも考えてみると、とびっきりに楽しい夏映画ですわ。
UFOの演出にここまで真剣に向き合った映画なかったから新鮮。
見ちゃダメと言われても見たくて仕方ないのがUFOなんだよってジョーダン・ピールさんは分かっていた。
なんだかんだでUFOが一番見たい。UMAじゃなくて、本当に見たいのはUFOだよなやっぱ。
マジでUFO信じてる人が作ったとしか思えない気合の違うUFO映画の希望の星。NOPEどころかHOPE。
嬉しすぎてIMAXだったら死んでましたw
そして一番気になるのが、シャマランな変態性を彷彿とさせるようなサスペンスシーンの演出があまりにもシャマラン節なクセw
厩舎での”笑”撃的な宇宙人遭遇シーンの悪ふざけや監視カメラのカマキリの映り込みなどがマジでしょーもなくて、蛇足のようなチンパンジーのエピソードでの肝心の部分は一切見せないショットとかも凄かったw
UFOが来てる状況で、そんな話に付き合ってる場合じゃないのに悠々とかまされるハッタリ精神のサービスがあまりにシャマランすぎてたw
『ゲット・アウト』以来のホラーな状況下に唐突にブチ込まれるお笑い担当キャラもご丁寧に用意してくれたのも嬉しいw
結果としてジョーダン・ピール版の進化系『サイン』みたいな『NOPE/ノープ』をオレは観た。
今度こそ本格的にシャマラン化していくのかもしれないですね彼はw
ユーモアのセンス、キャラクター演出、確かな技巧力、快適さと居心地の悪さ、寓話性。
すでにノリノリじゃないですかw
そこに黒人文化という人種的側面からの独自の切り口があるので、彼こそが次世代シャマランの最有力。
とうとう確信を得てしまいましたね。
次回作を恐る恐る待ちます。