Netflixオリジナル 亡霊映画の新しい傑作誕生!『呪われし家に咲く一輪の花』

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いいタイトルだなぁってまず思いました。
映画というより本の題名のようで、まさに本作の世界観にピタリとハマっています。

内容に合っているし、作品の雰囲気もタイトルに近い。

話はこじんまりとしていて、登場人物も数人に限られている。

高齢で死期を待つ元怪奇小説の女性作家の家で、介護士の女性が住み込みで働き出すんだけど、その家にはあるおぞましい秘密が隠されていたという話。

怖い映画です。
それは間違いなくて、怖い話で、ちゃんと怖いシーンもある。

ただ、昨今の流行のスタイルとはまるで毛色が違う。
表現に派手さはないが、独特のクセがあって、いい意味で退屈、だけど死ぬほど怖がらせてくれる。

この映画には死者が登場するが、それは「オバケ」じゃなくて「亡霊」と強調される。
確かに「亡霊」という言葉がしっくりと来るのだ。

表面的にはよくある一軒家で起こる怖い話ですが、この映画は「人は死んだ後、なぜ亡霊となるのか」を本気で描こうとしている。
そのため、作り手の死後や死者に対するポリシーがかなり強く感じられる作品となっていて、個性的な一本となっている。

介護される女性が怪奇小説の作家という設定もちゃんと意味があり、本作自体がまるで一冊の短編ホラー小説を映像で読んでいるような味わいがある。

どこか文学的な臭いの強い作風で、主人公である介護士の女性のナレーションも詩を詠んでいるよう。

不思議な心地よさと緊張感を同時に表現するカメラワークが傑出していて、画面は静かに展開する。

静かな語り口に油断していると、ゾッとする恐怖シーンをあっさりとブチかましてくるあたりの自由で柔軟な姿勢もカッコよかったw

暗闇に浮かぶ気配、ノックする音、壁の黒い染み。。。これらは何を意味するのか?
家に棲み付いた陰惨な死の記憶が蘇る後半はかなりの恐怖。

おとなしいようで、実は大胆な演出も仕掛けられていたりして、この監督は伸び代がハンパない気がする。
これからの作品に注目したい。

そして、主人公を演じるルース・ウィルソンの名演技。
この人はほぼ一人芝居でこの難しい役をやり遂げていて、下手な役者では成り立たない圧巻のパフォーマンスだった。
この映画の成功にかなりの割合で貢献したと断言できます。

人がそこで死に、そして永遠に亡霊となる哀しき物語、『呪われし家に咲く一輪の花』。
怖くて、切なく、最後はしっとりと心に残る。

機会があればぜひ。

亡霊>オバケ度 100点満点!

公式サイト

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