『スレンダーマン 奴を見たら、終わり』
ネットで生まれたらしいスレンダーマンなる良く分からない正体不明の怪人をモチーフにしたホラーです。
まぁ、冴えない演出を繰り返すだけで退屈極まりない作品ですねw
スレンダーマンってつまりキャンディマンやらバイバイマンやらの最近流行りの都市伝説ネタの流れの作品ですよね。
だから、呪いのルールが必須。
その意味でも、本作はよく分からないw
どんなルールで、何をしたら呪われて、どんな呪いが発生するのか。
全部曖昧だし、結局作り手が迷ってるんだよね。どうしたらいいのか確信が持てないので、自信なさげ。困りながらなんとなく作って行った感じが演出に出ている。
緊張感ゼロだし、ひとつひとつのシーンはそこそこ怖く作ってるんだろうけど、ぼんやりとした設定とぼんやりとした展開で、結局はつまらないことには変わらないです。
キャストの女の子たちも地味。
『リング』みたいになす術なく一方的に呪われて、ひとりずつ消えていく展開は好きなタイプだけど、スレンダーマンさんの独自ルールが良く分からないので、見ている方も怖がっていいのかどうかがピンと来ない。
スレンダーマンの魅力がイマイチ伝わってこないですよね。
これはネタの問題というより作り手のやる気の無さでしょうねw
『イット・カムズ・アット・ナイト』
未知の病気が蔓延し、ほぼ終末を迎えた世界で、どっかの山奥で隠れるようにサバイバルを送る家族の話。
よく分からないウイルスってことなんだけど、突然変異のモンスターやゾンビなんかの陳腐な展開には走らずに、至極真っ当な心理サスペンスに仕上がっていました。
これは実は相当周到で、計算高い作品だったんじゃないでしょうか。
結局、最も肝心の「病気」の有無、正体が分からない。意図的に分からせないように作っていて、役者の迫真の演技と必要最低限のシチュエーションのみで仕上げたスマートな1本。
疑心暗鬼に陥った人たちの心理描写が丁寧で、いつ状況が悪化してもおかしくない緊迫感がハンパない。
「見せない」ことで逆に想像力を刺激してくる手法が効果的。
ジョエル・エドガートンは悪役とかタフガイなイメージが強いけど、『ザ・ギフト』とか『華麗なるギャツビー』なんかで分かるように巧い役者なので、今回も文句なしでした。
90分間でムダなく、首尾よく立ち回る心理サスペンスの傑作でした。