『フラットライナーズ』がなぜリメイクされたのか?
オリジナルは90年代を代表する役者が豪華共演しているし、ジョエル・シュマッチャー監督のフィルモグラフィの中では『フォーリング・ダウン』『評決のとき』と並んで好きですw
ただ、『フラットライナーズ』はリメイクしても特別新しい発見はないと思っていました。
まさにその通りになっていましたw
役者はみんな熱演してましたが、脚色がちょっと軽いというか、雑なんですよね。
オリジナルほどの緊張感もそんなにないw
鑑賞前はホラーのカテゴリーで記事をアップする予定はなかったんですが、ほとんどホラーみたいな仕上がりだったのでここでアップしますw
『フラットライナーズ』は好奇心で臨床実験に挑んだ医学生が現実とも幻覚とも説明のつかない怖い体験をする話です。
若さならではの軽はずみな勢いで「医学的に死にまくる」という不謹慎さが魅力であり、キャラクターが体験する死後の世界や心の闇を、シュマッチャー監督はこだわりのビジュアルで表現していました。
リメイク版は悪くはないです。
だけど、27年も前の作品をわざわざリメイクした割にはB級ホラーにしかならなかったと言うのが本音です。
オリジナルが大事にしていた過去との対峙や償いというテーマは一応受け継がれてはいるんでしょうけど、作り手にはあまり興味がなかったようですw
描くべき主点があるにも関わらず、全体的に深みはなく、あっさりとしすぎていました。
知的で、興味深い題材なんだけど、昨今のホラーの影響を悪い意味で受けすぎていて、やっていることは流行のオバケ映画。
死を描くには、本作はあまりにもスタイリッシュすぎたのかもしれません。
本気で作れば傑作スリラーになったんだろうけど、演出を間違ったんだと思います。
オリジナルつながりで出演のキーファー・サザーランドに期待したが、本当にちょっと顔を出していただけでしたw
死をマジメに扱った映画なら『ヒアアフター』を観たほうが満足するだろうし、過去に復讐されて呪われる映画なら『イベント・ホライゾン』の方が圧倒的に怖いw
リメイク版『フラットライナーズ』は、役者が頑張っているのでそれなりに興味を持って観れるが、何をどう描けばいいのか要領を得ずにフラフラしているような映画でした。
おかげでオリジナルの評価が過大に高まった効果はあると思いますw