『暗闇にベルが鳴る』
この前観た『ブラック・クリスマス』が意味不明なフェミニズム思想の肩透かし作り直しでホラーとしてあまりにつまらなかったので、オリジナルがどうだったのか観てみました。
なんか記憶が混乱してたみたいで、オレが昔見たのは似たような設定の『夕暮れにベルが鳴る』だったことが判明しましたw
さらに、『夕暮れにベルが鳴る』のリメイクである2006年の『ストレンジャー・コール』もなぜか観てたなぁと思い出しましたw
’74年のこの『暗闇にベルが鳴る』はクソ怖かったし、気持ち悪くて最高でした。
女学生の寮に変態なエロ電話かけまくって勝手に興奮する犯人さんのキチガイな支離滅裂トークが異常性バリバリ出てて、ブルブル震える怖さ出てた。
いちいち狂ってて面白いイタズラ電話の連発。
ただのイタズラとは思えずマジメに不信がるのが主演のオリビア・ハッセーさんで、これまた小動物的な可愛いさが満点だったし、アル中で下ネタ放ちまくる奔放であけっぴろげな性格のマーゴット・キダーさんとかどこか痛快さがあって、寮の管理人のおばさんによる下劣な笑いもいいアクセントw
女の子たちの描き分けが凄く良く出来ていたし、周到なサスペンスシーンに満ちてます。
同じ寮の友達が行方不明なのに部屋に全然探しに行かない都合の良さなど不審な点が多いけど、歴史に名を残しただけある不穏な人殺しスリラーになってました。
結局、犯人は何でそこにいるの?誰なの?何が目的なの?という部分は何一つ明らかにならなくて、不確かなまま、ひたすら女学生たちが次々と犠牲になる話のまま終わるのも好き。
犯人目線での不安定で危険な精神状態を表現しつくすカメラワークとかセンスあったし、絶望的なラストはマジでゾッとした。
名作。
『ファイナル・デッドコール 暗闇にベルが鳴る』
さっきも触れた『ストレンジャー・コール』とほぼ同時期に作られたヤツ。
こっちは『暗闇にベルが鳴る』のリメイクです。
まぁ、どっちでもいいんですがw
オリジナルに比べると時代に合わせて分かりやすく作った印象ですね。
あえて不明確な部分を残したがために、後味悪く、逆にリアリティを高めて怖かったオリジナルでしたが、リメイク版はそこを全部説明しちゃってますw
分からなくてもいい部分も余計なお世話としか思えないほどに分からせてくれます。
親切すぎるがゆえに想像させる隙を与えないという理由においては怖くないんだけど、そこをカバーするのが実在の殺人鬼エド・ケンパーさんの凄惨な殺人事件をモデルにしたらしいグロテスクな犯人さん誕生と成長の秘話がありますw
犯人さんが不健全かつ呪われた幼少期を経て今に至ってましたってことを歴史の授業のようにみっちり教えてくれます。
もちろん余計なお世話でしかないんだけど、犯人さんについて知ることができる隠し事なしのリメイクになっているんでしょうねw
メインイベント開催となる曰く付きの寮についても知る機会になりましたw
クリスマスイブの夜のその寮で、女の子たちが、誰にもバレずに何十年も潜み暮らしていた犯人さんに色んな穴から監視されてて、神出鬼没に虐殺されまくるだけです。
演出的にはスラッシャーというより、ほぼモンスター映画のような様相を見せてましたね。
未知の宇宙生物との攻防みたいな気持ちで見たほうがいいかもしれない。
ムダに力入れた目の玉に執着したゴア表現が意味は分からないが、アホみたいな発想で好きではあります。
屋根裏部屋に作られたクリスマス仕様の死体あしらった飾り付けがちょっとロマンティックでステキでした。
監督がグレン・モーガンさんだし、ファイナル邦題なので、『ファイナル・デスティネーション』の続き物だと思い込んで借りた人が多いとかw
メアリー・エリザベス・ウィンステッド出てるしねw
ウィンステッドさん筆頭に女の子たちがみんな可愛いけど、ほぼ誰が誰なのか分からないキャラの薄さはありましたが、2019年の気取った『ブラック・クリスマス』よりよっぽど素直で好感の持てるリメイクでした。
ちゃんとメリークリスマスっぽさも出てたしw
なかなかの良作ってことでw