『ノー・ウェイ・アウト』
メキシコからの不法移民の女性を待っていたのは、アメリカンドリームどころかアメリカンナイトメアだったという気の毒な話。
母の看病のために進学を犠牲にしてきた人生変えるために、せっかく果たしたアメリカ上陸。
でも、現実は低賃金で出口のない劣悪な労働環境の毎日で、持ち前のわずかな現金でのやりくりに苦労し、アメリカ生まれを証明するために偽造IDが必要というバレたら即刻メキシコ戻しの刑という悲惨さ。
涙出てくる不憫さなのに、やっぱり住む場所もロクでもない。
家賃は安いが、どう考えても人間が住めないようなゴミ溜めで、地獄とつながっていそうなオンボロアパートで、でも貧困だからこそ選択肢がないという悲しみ。
ううぅ。。。泣けましたw
そうなると大家もロクなやつじゃないわけで、ロクなことが起きていないアパートだったということになり、やっぱり心底呪われているわけです。
夜遅くの誰かのすすり泣きとやってられない超常現象とそこらじゅうにいるオバケさんたち。
ワケありすぎだった物件でしたw
移民で、貧困で、女性で、そんな頼れる家族も逃げ場もない弱者が、野蛮で冷酷な男たちに足元見られて、化け物屋敷のいけにえにされるという怖さ。
説明不足で分からないことが多すぎるが、なかなか社会的リアリティの高い作品なのかもしれないです。
不憫な状況が散々続いた挙句の最後の20分ぐらいがこれまた最高。
なんと『ザ・リチュアル』の原作者の本らしいので、やっぱりおぞましい儀式があって、昔の神話の化け物みたいなおっかないモンがガチで出てきますw
この世のものじゃない見た目インパクト満載で、凄まじく変な化け物がドドーンと姿を現します。
クトゥルフ神話に出てきそうなタイプの忌まわしくも神々しいシロモノで、気持ち悪くてカッコよかった。
フィギュア作ってくれたら買いますオレはw
化け物観るだけでも必見w
『クラシック・ホラー・ストーリー』
なるほど。
気持ちはわかるし、やりたいことも理解したが、卑屈すぎてちょっとねw
気持ちは本当に分かります。
そーゆー劣等感あるんだなって。
でも、やっぱそこは良識ある社会人として胸にしまっていてほしかったというのが本音w
いつもの登場人物といつもの設定といつもの展開だなぁって冷静に様子をうかがっていたんですが、そんな「ホラーあるある」を覆すひねりが起こるわけなんだけど、これが凄く余計なお世話というかね。
正直言って冷めますw
もっと爽やかに、堂々と、ストレートな作品作れないんですかねw
それが難しいからこその下手な小手先芸が神経を逆なでw
結局は、『悪魔のいけにえ』も『死霊のはらわた』も『ミッドサマー』も傑作だったよね、アメリカ映画はちゃんとホラー作れるよねって当たり前の事実を鑑賞者は再確認しただけ。
その覆せない現状に対しての自虐の意味を込めた本作なんだけど、ひねくれててゴメンみたいな遜りの姿勢にイライラw
『クラシック・ホラー・ストーリー』ってタイトルの時点ですでに言い訳が始まっていたんだと思って、そんな真似しなくていいから、もっと自信もってくださいって思いましたw
イタリア人はダリオ・アルジェントいるんだから卑屈にならないでいいよって。
まぁ、ダリオ・アルジェント以外の人がいないけどw
ホラー好きだからこそ、このイジイジした精神で「できないこと」を正当化しようとするやり方は苦手。
今年最も嫌いな作品であることは間違いないですw