『マニアック(1980)』

80年代の人殺し映画は結構観ていたはずですが、やっぱりなんかかんかは見逃していたようです。
お母さんとの嫌な思い出に中年になってもウダウダと苦しみ、女性殺してはマネキンに剥いだ頭皮かぶせてブツブツと独り言をのたまう連続殺人鬼の狂人による殺人映画『マニアック』。
マネキンばかりで埋め尽くされた趣味の悪い独り暮らし部屋で、マネキン愛を陶酔語りするマニアックさん。
物哀しく、パッとしないBGMがこれまたマニアックさんの出口の見えない殺人人生のいたたまれなさを強調する。
主演ジョー・スピネルさんのギョロギョロとした目力、不潔で不快な存在感とトム・サヴィーニがムダに気合入れた肉体損傷の特殊メイクが見所でした。
切り裂き流血の様子や顔面破壊をしっかりと丁寧に見せてくれて、その手のファンを喜ばせるサービスはさすがでした。
トム・サヴィーニ節がなぜか爆発してしまうラストの意表を突いた演出が、まんまゾンビw
一番視覚的に怖かったのがここw
お母さんと何があったのか知らないが、マネキンしか愛せず生身の女は殺してしまうマニアックさんはひたすら汚くて、可哀そうでしたw
そして、話は凄く退屈でしたw
『バーニング』

これまた未見。
『13日の金曜日』のような湖畔のキャンプ場でサマーキャンプに勤しむ若モンたちに青春を過ごさせないぞとばかりに恨めしい殺人鬼が血祭りにあげるスラッシャー映画の古き良き古典です。
意地悪なキャンプ管理人を悪戯で火だるまにしちゃったら、まんまと生き延びちゃってしまい、湖畔にやってくる若モンを切り裂く大火傷殺人鬼バーニングさんになって帰ってくる『バーニング』ですw
大火傷負ってる設定も風変わりで面白いし、人殺しの武器としてわざわざ植木バサミをチョイスしたのも凄くバカみたいで良かった。
愛用する植木バサミのスラッシャーな切り裂き演出がセンス良かったし、トム・サヴィーニさんがまたしても陰惨シーンでの特殊メイクで活躍してたw
ハサミなのでいちいち器用に挟まないとならないしんどさがあるけども、刃物スタイルではナイフやナタとも違うユニークな出で立ちとなり、ビジュアル的にもかなりアイコニック。
両手を使わないとならない使いづらさを差し引いても植木バサミを頭上高く大げさに構えると、ポスターでも分かるようにちゃんと映画的に映えるのだw
人を殺す前に空中に構えるショットをいちいちカッコ良く撮ってくれてイカしてたw
ラストはなぜか植木バサミを捨てて火炎放射器で大火傷の復讐に燃えるバーニングさんですが、いざとなったら火炎放射の出し惜しみが災いし、隙を作りすぎて逆襲されがちw
大火傷殺人鬼のキャラが特徴的だったし、学生たちのキャラクターもみんな性格分けが良く描けてたし、殺人描写もショッキングで凄く怖かったので良作。