『デスカメラ』
いまひとつでした。
ビデオカメラ越しに映った特定の人の顔が変形して見えて、その人は後に謎の死を遂げるという話。
なんでなの?って思うだけでしたw
その設定自体がいきなり始まるので意味不明すぎる。
あまりにもテキトー。
呪いのカメラってことなんでしょうが、都市伝説のように説明があるわけでもないので、アイデアだけで作られた映画ということだと思います。
どうでもよすぎる男女の三角関係が続き、たまにカメラに映った人が死ぬだけです。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が優れたPOVだったのは、やっぱ呪い自体の背景がきちんと設定されていたし、ブレア・ウィッチの森も凄く怖く演出されていた。
人間関係が悪化する過程も自然で丁寧だったしね。
この映画は肝心なところがあまりにテキトーなので、興味も惹かれないし、ただなんとなく不気味だなぁぐらいにしか感じません。
アイデア自体はいいと思うけど、それだけですよね。
延々と同じことが起きるだけで、最後もテキトーに終わらせてたし。。。
正直、あんまり面白くないですw
『ビハインド・ザ・マスク』
これは最高でしたw
ホラー映画自体がもはや立派なネタになっているので、個人的にはニヤニヤして楽しんでしまったw
ホラーファンには嬉しい構成。
「ホラー映画あるある」なんかも満載の遊び心が魅力の作品。
『キャビン』や『ファイナル・ガールズ』が好きなら、これもきっと好きだと思います。
ドキュメンタリー映画のスタッフが、地元で有名な殺人鬼かもしれないとウワサされる青年に密着取材する話。
取材班は誰も殺人鬼だと信じていないんだけど、なんと本当に殺人鬼なんですよねw
この殺人鬼さんのキャラが凄くいいw
たぶん人格者w
自称殺人鬼なんだけどあっけらかんと殺人の舞台裏や苦労話なんかも教えてくれる。
なんか性格がいいんですねw
人懐っこいし、殺人に対してしっかりとした哲学もあって説得力があったり。
近所の殺人鬼仲間との交流なんかも取材させてくれたりとサービス精神も旺盛w
彼の目的は「伝説的な殺人鬼」になること。
ジェイソンやフレディのような永遠の存在になるがために、陰で大変な努力をしているのだw
タイトルを「殺人鬼もつらいよ」に変えてもいいぐらい殺人鬼がいかにハードワークであるか痛感させてくれる。
今まで軽い気持ちで受け止めていたスラッシャー映画だったけど、今後は殺人鬼さんの心情とかを考えながら観ちゃうかもしれませんw
『ビハインド・ザ・マスク』は頭のいい構成で、展開が凄く良くできてた。
殺人鬼さんへの取材中はPOVスタイルのモキュメントで、人柄やプライベート、舞台裏が明かされるが、同時に表舞台として展開するのは「コテコテのスラッシャー映画」なのだ。
クライマックスはその裏と表が巧い具合に折り合いをつけていって見事に完成していた。
本当に面白かった。
この映画はまさにホラー好きな人に向けた内容で、作っている本人も相当ホラー映画が好きなんだと分かる作品だった。
傑作。
『悪魔の存在を証明した男』
まぁまぁでしたw
悪魔映画としては珍しく、主人公がわざわざ好き好んで悪魔に憑かれようとしますw
目的はひとつ。
「超常現象はインチキだと証明するため」
占いに夢中だった妻がそのアドバイスが原因で死んだと思い込み、体を張って「超常現象を否定するドキュメンタリー」を作ることにしたのだ。
結局、悪魔の存在を否定しようとしたのに、結果的に肯定しすぎてタイトル通り『悪魔の存在を証明した男』になってしまったという話w
この主役の独り芝居が最高だった。
黒魔術だの催眠術だの降霊術だのを好き好んで試すんだけど、その影響で精神も肉体もどんどん悪化していく。
家中にカメラを仕込んでいる設定で、男が四六時中ヤバい言動を繰り返す様子を映します。
もはや記憶も定かじゃなくなって、自分がコントロールできなくなるまで異常な事態に陥いります。
登場する怪しい霊能者の人たちによる変な儀式が面白かったし、カメラが映す主人公の常軌を逸したパフォーマンスが楽しめる作品でした。
POV作品としては平坦な作り。
悪魔に憑かれたとされる主人公の幻聴や幻覚までカメラが記録していたのがちょっと良く分かりませんでした。
演出スタイルとしてPOVなんだから、そこはルールをちゃんと守ってほしいよねってのが本音です。
そこそこ楽しめるとは思います。
『デス・チャット』
今回の作品の中ではぶっちぎりで面白かったです。
というか、あまりに怖すぎたw
凄まじくゾッとする話だし、こんなの怖すぎてよく独りで観れたなと思いますw
PC上のみで展開する『アンフレンデッド』と同時期に作られた似たスタイルのPOVホラーです。
だけど、『アンフレンデッド』がオカルト展開だったのに対し『デス・チャット』の怖さはより現実的でした。
映画で例えると、『ストレンジャーズ』に近いですね。
他人とチャットしていたという何でもないきっかけから、ワケのわからないことが起きていきます。
最初は正体不明な漠然とした恐怖ですが、決定的な事件が起きて、次第に何者かが確実に追い詰めてきていると分かってくる。
だけど目的が分からないのでとにかく怖くて仕方がないw
それがPC上で表現されていくんだけど、これがメチャクチャ怖い。。。
SNSやチャットルーム、PCカメラによって主人公の女の子が知らない間にも陥れられていく様子を、鑑賞者だけが知ってしまいます。
背筋が凍るような悪意がPC画面から溢れ出てくる展開に慄きます。
ラストに至るまで不条理感がハンパなくて、ネット社会の闇を鬼のような緊張感を持って描いて見せたホラー。
こっちにまで女の子の焦りや恐怖が伝わってくる臨場感が秀逸だった。
最高に怖いので超オススメです。