『オールド』

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そりゃあんた、シャマランの新作なんだから、何を置いても優先すべき課題であり事項。

ホカホカのマーベルであるシャン・チーさんさえも後回しにしましたw

つーか、ザ・スーサイド・スクワッドも未見のままで、こっちはそろそろ上映終わるんじゃないですかねw

あっはっは。

なにがなんでも『オールド』です。

上映前のシャマラン本人からの映画観に来てくれたお客さんへ向けた心優しく、温かい感謝のビデオメッセージがなんだかほんわかした気持ちにさせてくれる時点で、今年一番の映画決定ってことでいいです。

南国だかどっかのリゾート地に赴いた旅行者さんたちが、宿泊先のホテルオーナーからプライベートビーチに招待されて行ってみたら、なぜか知らんが凄いスピードで年取ってしまって、脱出困難なビーチの砂浜で、無力の中人生終えて行くという「あぁ、これがオールドだな」って思う映画。

子供は成長しすぎるし、大人は老化しすぎるので、みんなに時間がなさすぎてオールドって怖いなぁって。

50年分の時間の経過が肉体に起こって、高齢化社会が1日の陽気なビーチに訪れるなんてオールドも甚だしいのだ。

シャマランらしいこけおどしの天才的カメラワークがかつてないほど自信みなぎって冴え渡ってます。

そこで実際に起こっている以上の悲劇を勝手に想像させるような不安感煽りまくりの意味深なパンやアングルが相変わらず効果抜群で、サスペンスなんて1個もないのに100個ぐらいあるんじゃないかって錯覚させるシャマラン節が止まりませんw

細胞が異常な速さでオールドしていくってことなんだけど、成長期の子供たちの見た目の変化をビジュアルで直接的に見せないで、オールドしましたって体裁を、シャマランはもっと効率よく、面倒な作業を取っ払って表現してました。

カメラが本人たちの全体像をはぐらかして映してない間に、さっきまでの俳優が全然違う俳優に入れ替わっておけば、それはオールドしたってことなるのだ。

さすがのシャマランの目からウロコの発想力w

真顔でいつまでも鼻血出し続けるラッパーやジャック・ニコルソンとマーロン・ブランドが共演した映画のタイトルを思い出したい精神科医を、ピリピリした現場に場違いなまでに笑わせ要因として働かせようと試みるシャマランの唯一無二の変態性も隠せない。

オールドが速すぎるあまりに、人間の妊娠から出産から老衰までの一生をサクッと終わらせる恐ろしく時間なさすぎるシークエンスがゾッとするんだけどそれ以上に笑えるので困ったりもしますw

若いうちからちゃんと栄養取っていないガリガリ女の高齢化のなれの果てこそが一番震えあがるオールドの呪いかもしれない。

オールドしちゃうのはなんでなのかって肝心の疑問に対しては、とにかくビーチのせいですってことになってましたw

便利な『ハプニング』方式ですw

起こってるんだからしょうがないだろってことで納得するしかないのだw

神のみぞ知るというかw

理屈はよく分からないんだけど、自然の御力の仕業ってことで、そこら辺はマジでテキトーに理由を設けてて、そんなことよりもシャマランのメッセージがこのコロナ禍世相だからこそ心にジーンと響くらしいのでちゃんとマジメに観ろw

どこにも行っちゃダメですよって引きこもり生活強いられて、大切な時間を制約された世界のみんなに向けての作品ってことでしっかり受け止めましょうマジで。

まだ健康で、頭もはっきりして、体も動ける内に、時間を有効に使えと。

未来を気にするな、過去に囚われるな、目の前を生きろと。

何ができて、何ができなくなるか。

それって「時間の問題」なんですよと。

シャマランは得意の奇抜な超常現象スリラーの形を借りて、自身の信者であるシャマラーさんたちも楽しめるように、エンタメしながら教えてくれたということなんでしょうか?

だとしたら、あまりに素敵なことで、感動的だし、映画作家としても偉大。

シャマランって人は清らかなる『サイン』と『レディ・イン・ザ・ウォーター』作った尊敬できる唯一のインド人でして、こりゃ『オールド』もシャマランの聖典入りですね。

言いたいこと描いた後は、とっとといつもの事務作業通り伏線回収して、ネタ明かしていくわけです。

そのスピードもオールドなスピードで、世の中への皮肉もさりげなくこめていく辺りが気の抜けない面白さでした。

ホラーというかスリラーというかコメディというか社会派というか、ジャンルとしてはシャマランですw

コロナを経てますます意欲的なシャマランの新しい幕開けに喜びいっぱい。

『オールド』を映画館で観れるか、観れないか。

手遅れになる前にとっとと観に行け。

時間は待ってくれないのだから。

公式サイト

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