『デス・オブ・ミー』
東南アジアのどっかの島町で目を覚ましたけど、一切の記憶がないカップルが、なんだか不可解で不気味な島の住民に翻弄されて、死んでいるのか生きているのか分からな過ぎて観ている人も困る話。
バカみたいで理解に苦しむストーリーとクドい演出で、恐怖より笑いが生まれてしまうので、申し訳ない気持ちで見ましたw
アガサ、ホーンテッド・サイトとカルト物はちょこちょこ手を出していたダーレン・リン・バウズマンさんが、とうとう憧れのウィッカーマンをやってみたのだ。
だけど、結局は持ち味の虐待大好きの肉体痛めつけ表現だけがムダに浮いてしまって、具合の悪い作品が出来上がった。
マギーQが真っ当な演技してて不憫になった。
『テリファー』
主役の人殺しテリファーさんが面白くて、お茶目でよかった。
Mr.ビーンがサイコなシリアル・キラーのバージョン。
もともとサイコだけどあの人w
Mr.ビーンさんを見習って寡黙なのに豊かな感情表現の芸達者ぶりで、今宵のハロウィンを盛り上げる。
器用に作り上げた武器や殺人センスが光り、殺人の合間にユーモアも忘れないあたりが健気。
結構反撃に合って肉体酷使しながらも、ちゃんと標的を惨殺するけじめを見せる。
昨今、ハロウィンと一番真面目に向き合っているのがテリファーさんなのかもしれない。
低予算ながらも余計な前振りなしで、ハードで素直な人殺しゴア映画の良心作。
『ザ・ウーマン 飼育された女』
凄くいい映画。
川辺で素っ裸の野性的な女を見つけてて、捕まえてみたので、下心満載で飼育してみる牧場一家の亭主関白なお父さん。
だけど、実は食人族だったから大変なことになる話。
女性見下してニヤニヤと虐げちゃうお父さんの気持ち分かりつつ、同時に不快でもあり、解放された野生の呼び声のワイルドな復讐劇は痛快でさえあった。
男らしさという呪いと抑圧される女性の災難がジャック・ケッチャム原作という暴力的ストーリーに的確に描きこまれて秀逸。
ラストは予想の斜め上よりもっと斜めいってて、わけもわからずなんか感動した。
真顔で作ってたらめちゃくちゃな胸糞映画なんだけどそこは演出の妙でラッキー・マッキーさんのセンスが光っていたので、なんか不思議と爽やかな気持ちで終わったw
ラッキー・マッキーさんって照れ隠しなのかフザけた名前でありながら、やるべきことをやってくれるので信頼してます。
『サベージ・キラー』
レイプされて殺されかけた女の子の肉体に、100年前に虐殺されたアパッチ族のチーフのオバケが、魔術の力によって乗り移って、差別主義の血を受け継ぐ野蛮で俗悪な白人社会に対して運命の決戦地であるニューメキシコの土地にて落とし前をつけるという風変わりなホラー・バイオレンス。
世代を超えて襲い掛かってくる因果応報の攻撃。
曾祖父が生んだ悪行が、ひ孫が生んだ悪行によって世代を超えて「復讐」へと結ばれる因縁の運び。
『アイ・スピット・オン・ユア・グレイブ』系譜の虐げられた女性による直接的なリベンジストーリーに、新風を吹き込むことに成功していました。
表現の稚拙さやバカバカしさで後半は緊迫感よりもクスクス笑いを生むが、アイデアの面白さと作品に込められたメッセージが熱くもあるB級映画の佳作。
ウジ虫湧きうずまく腐れ朽ちていく肉体に、男を愛する乙女の心を失わずも、血と暴力の戦いに身を投じていく主役の哀しき呪われ天使ちゃんの熱演に胸打たれたので、ちょっと甘えのスコアにしてみましたw
観ていた本人もまさかと思ったが、ラストでかなりウルッときたw
『サベージ・キラー2』はまるで関係がない縁もゆかりもない作品とかw