14年という長い時を経てのエスターが帰ってきました。
もっと前に帰ってきておけよとファンは思っていたわけですがw
待ちくたびれていたのが本音。
死ぬほど待望の末の続編なんだけど、前日談です。
そりゃそうだわな。
『エスター』観てる人からすると、作られるとしたら前日談しかありえないわけです。
あの話の後で実は…なんてことになったら寒いし、くだらないし、バカバカしいしで、エスターさん嫌いになってたかもしれないw
ジェイソンみたいなタイプとは違うから、エスターさんは。
エスターさんが孤児院に潜伏してまんまと養子に出される前のエストニア時代の居場所転々としての苦労話が描かれます。
もうエスターさんの正体は分かっている人が見てる前提なので、冒頭からエスターさんは思いのたけをぶつけるようにはっちゃけていました。
はっちゃけっぷりはもう素晴らしかった。遠慮なくトントン拍子の計画遂行とR指定殺人連続。
スゲー張り切っていたので、もうテンションはずっと上がりっぱなし。
エスターさんを止められる者などいないぜ!ってな大活躍。
エスターという名前は一体どこから頂いてきたんですか?というみんなの疑問に答えてくれるし、ピアノ演奏以上にこだわり抜いていたカッコいい絵画に秘めた魂の原点であり、エスター・ライジングの運命のチャプターがついに明らかとなる!
おさげ髪にリボンのアイコニックスタイル誕生!変な古いロシアのおばさんっぽい服もいい!
これぞエスターのビジュアルだという感動で前半は泣きそうになりますw
大大興奮で鼻息荒くして鑑賞。アマプラ感謝!
そんなわけで、ファースト・キルってことなんだから、エスターさんは表の設定上まだまだ9歳とかぐらいです。
それなのに、エスターを演じるのはなんと2009年版と同じ女優という狂ったキャスティング。
普通の感覚だと役柄に合わせて同年代の女優に演じさせるもんだと思うけども、手間かけて奇抜で特殊な撮影技法を利用してでも、25歳は行ってるぐらいの大人女のイザベル・ファーマンが続投という異常事態。
このキャスティングは作品内のエスター本来の意味としては正しいけども、果たして子供に見えるかという説得力としては疑問が残るわけです。
でも、これが結果的にめちゃくちゃ良かったw
『エスター ファースト・キル』、めちゃくちゃ面白かった。
9歳に見えないとならないエスターを大人女優イザベル・ファーマンに無理やり演じさせたのはやっぱ正解だった。
エスター演じられるのは例え100歳になってもイザベル・ファーマンだけ!
見た目はどう考えても大人になっているからエスターさんの異様な存在の気持ち悪さが格段に上がっていて、大人顔女が小柄でウロウロする姿がやたらと可愛いし、そのギャップが余計にエロくなっていて、人間離れしてる正気じゃないエスターさんというなんだか分からない生き物としての表現に心臓バクバクで、魂震えました。
もはや子供に見える見えないという問題を低レベル化させるほどの超越した映画的正義がイザベル・ファーマンなんですよね。
このエスターの迫力はイザベル・ファーマンにしか出せない。
そして、イザベル・ファーマンによる完璧で完全なエスターさんに対抗するジュリア・スタイルズという一見油断してしまう見劣りする凡人キャラも凍り付くような恐るべき仕掛けになっていて、前日談としても続編としても見事としか言いようがない。
前作とはまた違う境遇での我らがアイドル、エスターさんの心揺さぶる死闘。
もはやダークヒーローの域にまで達し始めたエスターさんが美しく血しぶき受けてサバイバルする修羅場は聖戦レベル。
なんかえげつない面白さで、ストーリーが前作踏襲のように見せかけての斜め上狙ってきてめちゃくちゃヤバかった。
ただ有能サイコがスマートな手口で殺しを成就させていくわけじゃない芸のある脚本で、エスターさん自身もビックリするぐらい期待を上回ってきます。
そこはなんつっても、監督はホラー一直線の得意分野で評価高め続けるウィリアム・ブレント・ベルに交代となった所以。
『ザ・ボーイ』で見せた鮮やかな腕前の冴えがここでも遺憾なく発揮。
エスターさんがひたすらクールに出し抜いて成功おさめていくような話を想像していたので、中盤の想定外すぎる展開がマジで驚愕で、ショッキングで死にそうになりました。
エスターさんを俄然応援したくなるという強烈な感情がグワーッと沸き起こり、エスターさんにこれほどまでに全力で肩入れしたことはなかった。
この映画観た後では、エスターさんのことを大好きになります。誰もが。100%です。
エスターさんの敵はオレの敵ですw
エスターさん、バンザイ!
傑作すぎた。