『スクリーム』(2022)

スポンサーリンク

最高の続編であり、最高の『スクリーム』でした。

少なくとも1作目以降では、ほぼ匹敵するぐらいの感激しっぱなしの面白さ。

1作目への熱すぎるリスペクト溢れる本作が、シリーズ化において一番新鮮さを誇っているというのも凄い。

ゴーストフェイス殺人鬼の怖さには初めて登場した時以来に久しぶりにゾクゾクしたし、1作目に関係した因縁絡みのミステリーが巧みに仕掛けられ、かつての事件関係者と現在進行の事件被害者を繋げる凝ったストーリーがスリリングに展開する。

生々しく向上した「スタブ」なザクザク殺人描写もクールで、シリーズ最多でムダにスタブされまくっているのも新起動してやるぜという気合の象徴。

1作目で説明された「ホラー映画で生き残るためのルール」自体がもはやオマージュになっているのもセンスがある。

『スクリーム』といえば、やっぱホラー映画自体をネタにしたメタフィクションの作りで、映画という手法を使った愛情表現であり批評になっている辺りがこれまたホラーファンを楽しませて喜ばしているわけで、作品の中でも1作目の事件を基にした『スタブ』が作られており、劇中作としてさらにフランチャイズされているという設定の複雑構造w

作られすぎてマンネリ化した『スタブ』フランチャイズを、「リメイク」したい殺人鬼の思惑というのが今回の作品テーマに通じていて、タイトルがここに来てあえて『スクリーム』であるという深い意味なのだ。

もはや観客が観ているモノが『スクリーム』なのか『スタブ』なのか分からなくなってきて、マジで楽しすぎるw

昨今次から次へと生産されるリブート・リメイクの作り手とオリジナルからのファン心理との乖離の問題点への思考や高い評価を得ているA24やジョーダン・ピール作品に顕著ないわゆるオシャレで、知的で、意識高い系の高尚なエレベイテッド・ホラーへの対抗心を、『スクリーム』という本作自体をメッセージとしてブチかまして答えているのだ。

マスクの殺人鬼と大量の血のりと絶叫という守るべき一流の伝統芸を現代の価値観で更新し、真っすぐなスラッシャーホラーの良心とわび・さびを今一度訴えて見せる。

その心意気がエンタメだし、泣けました。

そして、ついにネクスト・ジェネレーションなんですよという重要な新時代到来。

4作目はネクスト・ジェネレーションと言っておきながら、新キャストへの世代交代もないまま、結局はいつものメンバーがグイグイと引っ張っていく通常営業な内容で、やってることは普段のファースト・ジェネレーションだった。

今回こそがよっぽど正確にはネクスト・ジェネレーションな覚悟決めた内容になっていて、ファースト・ジェネレーションの面々はあくまでも橋渡し的なサポートに回っているのだ。

1作目の舞台や犯人像、人間関係を強く意識しており、まるで忠実な再映画化のような錯覚さえもたらすような徹底された原点回帰であり、それでありながら最も新しく、とうとう次世代へと向かうようなワクワク感で心から傑作だと断言できる『スクリーム』最新作に仕上がっている。

初心の頃に覚えたあの瑞々しい興奮がまた蘇える。

5作目にしての『スクリーム5』じゃなくて、あくまでも『スクリーム』なんだというこだわり。

その自信のみなぎっぷりも納得の10年目の満を持した見事な続編は、想像を超える華麗な出来に結構感動w

故ウェス・クレイブンも地獄の底で涙流して感極まってる姿が目に浮かびます。

ジェイミー・ケネディへのリスペクトに目頭激熱。

スキート・ウールリッチさんには三礼!

次回作のタイトルは『スクリーム2』で決まり!w

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。