今をときめくブラムハウスとAmazonスタジオが調子に乗ってやらかしたアンソロジー企画ウェルカム・トゥ・ザ・ブラムハウス。
その第一弾の一発目という記念すべき作品がコレ。
不穏なタイトル通り怖かったです。
交通事故で奥さん失って、自らも事故前の記憶を失ったシングルファーザーが生活も娘の教育もままならなくなり、怪しげな科学者が推進する変な最先端催眠療法を受けたら、自分がもはや誰なのか分からなくなって、恐るべき秘密が明かされる怖い話。
変なバーチャルリアリティの装置使った手法で催眠に落ちて、重要な記憶の真っただ中に「自分」として立ち合うことになるのだ。
このおかしな実験繰り返していくうちに、自分という存在に疑いが生まれて、自分を信じられなくなるという凄まじい想像したくない恐怖に陥る。
それなのに後半は一捻り用意されて、自分が誰なのか知ってしまった後、話がもっと怖くなります。
一捻りおみまいされてたたみかける後半で、主人公が抱える自分が自分じゃないような感覚、違和感、周囲との距離感に衝撃の真相が与えられる。
似た映画はあるんだけど、語り口みたいのが練られた話で、だからこそマジで驚くし、ゾッとしちゃいました。
催眠によって起こされる記憶の再現。
この演出がメチャクチャに怖かったです。
本気でオカルトやってましたw
自我を成り立たせるために必要な肉体と精神。
同じくブラムハウスの『ゲット・アウト』にも通じる発想でした。
たぶんこのアンソロジー企画では今のところ一番の傑作。
『冷たい嘘』『ノクターン』『イーブル・アイ』と他のも全部観ましたが、突出して面白かったのは『ブラック・ボックス』ってことになります。
第二弾も楽しみですね。