『シークレット・マツシタ/怨霊屋敷』

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南米ペルーからやってきた逆輸入でクールジャパンを推進するファウンド・フッテージの真っ当な快作です。

ペルー、リマの騒がしいにぎやかな住宅街のド真ん中に、かつて日系人家族が暮らし、陰惨な殺人事件があったマツシタ邸があって、何やらウソか真か分からない怪異現象のウワサが絶えないですよと。

案の定、そんな曰くつき屋敷に乗り込んだ怖い番組作ってた撮影チームが失踪して、ビデオだけが回収されましたという体ですw

いつもの安定した感じでフッテージがファウンドされた流れの『シークレット・マツシタ/怨霊屋敷』。

2014年製作ということで、当時の金字塔的傑作『アンフレンデッド』『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』に及びはしないけども、かなりちゃんとしたファウンド・フッテージで、抜きん出た斬新さはないけどオバケ屋敷のファウンド・フッテージではかなり上等な品とセンスを感じさせるし、名作『グレイブ・エンカウンターズ』以来の出来具合。

『グレイブ・エンカウンターズ』以降は似たような二番煎じで志の低い退屈なフッテージが次から次へと発表されてきたけど、本作は優秀です。

呪われ屋敷の背景の説明のちょうどよさ、確実なカメラの配置、テキパキとした展開、隙なく押さえてくる怖がらせ所での的確な超常現象と絶妙なオバケ演出、全滅後のエピローグも抜かりない。

ペルー人にも日本びいきの日本文化大好きなマニアな人たちが一定層いて、おそらく清水崇のホラーも良く観ていたんだろうし、日本ってなんだか変だな、よく分からないな、不思議だな、興味深いなって思っている知的好奇心が刺激されて、なんとなくノリノリで作ってくれたんだろうと思います。

そんな日本に憧れちゃってる南米人の軽い気持ちや微笑ましさがちゃんと出てて、日本人としてはなんだかホッコリとステキな気持ちにさせられます。

ジャケットにもドヤ顔みたいに刻印された漢字「死」がやたらめったらとこれみよがしに登場しては、怖がってくださいという暗黙のルールが以心伝心で伝わってきて、そこも和の心だなぁってw

「死」の一文字で日本の神秘さや東洋の呪いの恐ろしさを全部表現しちゃうペルー人は頭いいし、偉い。

伝わりやすいもんね、「死」ってw

「死」ってとりあえず書いておけば、それはもう凄く怖いことだし、不吉な感じ出るし、外国人の感覚としてもなんとなくホラー的にクールジャパンだよってことなんだと思います。

「死」って、たぶんそこそこ世界的に有名な意味も通じる漢字なんだと思うw

他の漢字が登場しても瞬間的にピンとこないし、日本語として唯一出てくるおっかなそうな漢字が「死」ってことで、本作の最重要の背筋が寒くなるキーワードなのだ。

「死」が最適であり、最上の漢字。

一番分かりやすいデザインだし、見た目もなんかキャッチー。

「死」の万能力凄い。

『シークレット・マツシタ/怨霊屋敷』でそれが証明されたのだ。

「死」ぬほど日本を大好きでいてくれてありがとう、この映画作ったペルー人の皆さん。

そんな感謝の言葉を言いたくなるほどいい映画だった。

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