昏睡中の大量殺人犯の母親の精神に、怪しげ医療研究所の実験的で最新技術な仮想現実シミュレーションで入り込んだ娘が、事件の裏に潜む邪悪な存在を知ってしまうSFホラー『デモニック』。
精神と肉体のつながりをテーマに、改造人間や人工知能ロボによる闘争の物語を描き続け、銃器の表現にも独自のこだわりを見せるガジェット要素満載のSFアクションが得意なニール・ブロムカンプなんだけど、ちょっとばかしいつもとは趣向と作風を変えて新しいことに挑戦してみた作品。
今度ばかりはあんまり上手くいってないような歯がゆさ感じしました。
予算も1000円ぐらいしかなかったのかもしれないw
相手の精神共有して、眠っている肉体の意識の中に仮想現実使って潜入し、陰惨な殺人事件の真相探るという設定は面白いし、そんなSFなアプローチで、オカルトホラーな展開へと持ち込んで見ましたよという狙いは凄く好きなんだけど、不発に終わっていて残念。
仮想現実内部の世界の表現が、まるでプレステ2時代の荒削り低画質な雰囲気出していたのは凝っていて良かったですw
仮想現実とエクソシズムというアイテム合体なので、やりようによっちゃ相当面白くなりそうだが、発想止まり、ネタ止まりで可能性が思ったより広がっていかなかった。
キャラクター描写も淡泊で興味持てるようなヤツがいないので、どうしても冷めてしまう。
恐怖演出もセンスが感じられず、色々ともったいないなぁという印象。
もはや『チャッピー』を作った人と同一人物の演出とは思えないほど90年代後半のピーター・ハイアムズみたいな劣化が著しかった。
そんなわけで、どうにもかつてのニール・ブロムカンプさんらしさがなかなか発揮されずに、見る見る内に尻すぼみになって、話も盛り上がらず、総じて小粒な印象でした。
こうなったら『チャッピー2』作るしかない!